相続税 (そうぞくぜい) は、講学上は、人の死亡に基因する財産の移転に着目して課される税金を指し、多くの国で採用されている。
日本では、相続税は相続税法(昭和25年3月31日法律第73号)に基づき課される。なお、同法には相続税と贈与税の2つの税目が規定されているが、これは、後者の贈与税が、相続税の補完税であることによる。
相続税がなぜ課されるかについては、次の2つの考え方があるとされる。
- 遺産税:人は死ぬときに、生前に築いた財産を社会に還元すべきであるとの考え方。
- 遺産取得税:相続という偶然の事象による財産の取得を抑制すべきであるとの考え方。
上記いずれの場合においても「 富の再分配 」という基本思想が存在する。
世界の相続税
かつて、贈与税がなかった時代には、財産を生前 贈与 によって移転することで、容易に相続税課税の回避を行うことができた。特に イギリス では 1974年 まで、贈与税がなかったことから、 世襲 貴族 などの資産家の富の承継が可能で、 貧富の差 の拡大を招いた。
スイス には 国税 としての相続税(直系卑属や 配偶者 に対するもの)がなく、一部の州の州税としてあるのみである。このためスイスは世界中から財産を集め、また多くの 文化財 の散逸を防いだとも言われている。また 香港 では 2006年 2月 から相続税が廃止されており、アメリカでは 2010年 に相続税を廃止することが決まっている。
その他、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、イタリア、マレーシアなど相続税が廃止された国は多い。廃止の理由としては事業の承継の妨げになるという批判、家庭への国家の介入は最小限にすべきという考え、タックス・ヘイブンとして海外から資産家を呼び込みたいという意図などが背景にあると思われる。
相続分
- 法定相続分( 900条 )
- 指定相続分( 902条 )
- 被相続人は、 遺言 で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
- 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、法定相続分の規定により定まる。
- 上記のように遺言により相続分の指定・指定委託をした場合でも、消極財産は指定相続分によらず法定相続分に応じて分割されるという説が有力である。これについて大審院決定昭和5年12月4日は、「…金銭債務のその他可分債務については各自負担し平等の割合において債務を負担するものにして…」と述べている。最高裁の判例は見当たらないものの基本的にこの流れは保たれていると見てよく、下級審においても、消極財産は法定相続分に応じて分割されるから遺産分割の対象としなくて差し支えない旨の裁判例がある(福岡高決平4・12・25判タ826・259)。
遺言がない場合は法定相続分によることとなり、具体的には次の通りとなる。
| 順位 |
相続人 |
相続分(遺留分) |
| 配偶者 |
他の親族 |
配偶者 |
他の親族 |
| 1位 |
有 |
子 |
1/2(1/4) |
1/2(1/4) |
| 2位 |
有 |
直系尊属 |
2/3(1/3) |
1/3(1/6) |
| 3位 |
有 |
兄弟姉妹 |
3/4(1/2) |
1/4(無) |
| 4位 |
有 |
無 |
全部(1/2) |
- |
| 5位 |
無 |
子 |
- |
全部(1/2) |
| 6位 |
無 |
直系尊属 |
- |
全部(1/3) |
| 7位 |
無 |
兄弟姉妹 |
- |
全部(無) |
|