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年金記録 あなたは本当に大丈夫? 2007/06/01
政府・与党は年金記録紛失問題の対応策を矢継ぎ早に打ち出しているが、依然として不安に思っている人も少なくないはず。自分の年金に疑問を抱いた場合、どうすればよいのだろうか。

  「宙に浮いた年金記録が5000万件」とはどういうことか。1997(平成9)年に年金記録を一元管理するため加入者全員に基礎年金番号が割り振られた。 社会保険庁 はそれ以前の約3億件の記録との統合を進めてきたが、いまだに統合されていないものが約5000万件(2006年6月時点)ということだ。
  昔は結婚や転退職で複数の年金番号を持っていた人は少なくない。すでに死亡した人や支払期間が短く受給資格のない人のデータも含まれている。ただ、統合過程で「氏名の読み違い」や手書き台帳からの転記間違いなども発覚。 社保庁 側の紛失やミスで該当者不明になっていたケースも相当含まれるとみられる。
  転職や脱サラで厚生、共済、 国民年金 の制度間を移動した人や、結婚で姓が変わった人は要注意だ。未統合記録には20代のデータが約9万件ある。これは基礎年金番号が導入されていない10代のころに転職経験があり、勤務先の厚生年金の記録が未統合になったケースが多いという。若い人も一度確認をしたほうがよさそうだ。

■確認方法■
  自分の記録に疑いがあると思ったら、まずは自分の基礎年金番号を調べる。 国民年金 は年金手帳に記載されており、 厚生年金 ならば勤め先の会社に問い合わせて教えてもらう。
  基礎年金番号が分かったら、 社会保険 事務所に出向き、基礎年金番号をもとに記録照会の手続きを取って、年金の種類や加入期間、納付月数などが記載された回答票をもらう。多少時間はかかるが、 社会保険 事務所に電話で問い合わせると郵送でも回答票を送ってもらえる。 社保庁 のホームページでは24時間、記録照会をすることができる。
  ただ、初回は ユーザー IDとパスワードの発行が必要だ。しかも、現在は申し込みが殺到し、「発行に3週間程度かかる」( 社会保険 業務センター)状態だという。すぐに記録を知りたい場合は、面倒でも 社会保険 事務所に足を運んだほうがよさそうだ。
  今後は 社会保険 事務所の開庁日を拡大する。24時間態勢で、土日もつながる全国統一電話番号を設置するなど相談体制を充実させる予定だ。

■「支給漏れの可能性」通知■
社保庁 は5000万件の未統合年金記録の照合を1年間で完了させる方針。そのうち受給年齢にあたる2880万件の記録と、すでに年金受給している3000万人の記録の照合を優先的に行うことにしている。
  照合の結果、氏名や生年月日など記録の一部が一致すれば、来年10月までに 社保庁 が該当者に対し「支給漏れの可能性がある」との通知を送付する。年金の加入履歴も併せて送り、支給漏れがないか 社保庁 に問い合わせるよう勧める文書も同封する。ただ、記録の詳細については、本人になりすまして支給漏れ年金を受け取ることを防ぐため伝えない考えだ。
  もし、「可能性がある」との通知が届いたら、 社会保険 事務所に行き、未統合記録が自分のものかを相談する。記録が自分のものと確認された場合、改めて年金支給額を決める手続きを取れば、支給漏れ分年金を受け取ることができる。

■領収書がない場合は■
  年金記録の確認について 社保庁 は、領収書など保険料の納付が確認できる書類の提示を求めてきた。ただ、何十年も前の領収書を保管している人は多くはない。政府では、領収書以外でも納付があったと判断できれば年金支給するよう対応を改めることにした。
  領収書に代わる書類としては銀行通帳の出金記録や家計簿のほか、社員名簿や社内報、過去の雇い主の証言も参考にする考え。さらに、弁護士など専門家による第三者機関を発足させて、加入者から事情を聴き、話に合理性があれば認める。
  だが、判定基準づくりはこれから。基準を厳しくすれば、これまでとあまりかわらない対応となり、申請者の納得は得られない。甘くすれば同姓同名の別人と混同するようなトラブルや、保険料を払っていないことを知りながら申請する悪質者を排除できないという課題を抱える。

■時効撤廃法で救済?■
  現在は年金の支払いを受ける権利には時効がある。2カ月ごとの支払い月から5年が経過すると、順次自動的に権利が消滅してしまう。「可能性がある」の通知が届いても、記録調査に時間がかかると、時効の壁で差額は受け取れない。
  与党が提出した 年金時効撤廃特例法 案は、こうした不都合を防ごうというものだ。法案が成立すれば、記録が見つかった時点で、本来支給されたであろう過去の差額分が全額 一時金 として支払われる。過去に記録漏れが認定されたが、時効で5年間分しか年金支給されなかった人も救済対象としており、記録照合できたときに受給者が死亡していた場合には、遺族年金に反映させる。
  記録漏れが判明しながら時効で受給できなかった25万件総額950億円( 社保庁 推計)は全額救済される。
  ただ、5000万件の未統合記録分については、「証拠」がなく加入者が納付を証明できなかったり、年金記録の不備に気付かない人は救済されない。

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